リミックスは 〔レコード・楽曲・録音〕

録音された楽曲を素材としてさまざまな音響操作を加え、新たな音楽に再構成すること。

一般にマルチトラック・テープに録音された各々のパートに対してミキシング処理、イコライジング、ミュート、エフェクトを加え、あるいは新たな素材を加えたり減らしたりして、元の楽曲とは別のサウンドをもつ新たな楽曲を作成する作業を指す。

リミックスの起源はレコード・ビジネスのマーケティングに基づき、シングル/アルバムによって、あるいはリリースされる国や地域の微妙な嗜好の違いによって、ミックス・バランスを微妙に変えてレコードを発売していたことに発する。

やがてディスコ文化の発達に伴い、ダンス・フロア向けにビートを強調し、楽曲の長さを延長してリミックスされたシングルが1970年代初頭に出現し、DJ向けのプロモーション用途を中心に広まり始める。

80年代に入るとDJ自身がリミックスを行うことが普通になり、また既成のレコードを用いて新たな音楽を生み出すヒップ・ホップの方法論が広まったこともあって、リミックスという手法は一般化する。

その後リミックスは、ポップ・ミュージックにおける基本的な差異生産のメソッドとして用いられている。

シングル盤には一つの楽曲の複数のリミックスが含まれていることは珍しくない。

一つの楽曲に対して複数のリミックスが存在する状況は、これまで確固として保証されていた、音楽における「曲の同一性」と「作者性」の存立基盤を揺るがす一因ともなっている。
update:2010年03月16日